Amazonは日本において20年にわたりビジネスを展開してきましたが、日本マーケットでなにげなく獲得している顧客と、社会的な意味合いにおいて強い信頼関係を築くには至っていませんでした。Amazonは取引のレベルにおいては優れており、顧客価値の提案においては期待以上の成果を上げていましたが、グローバルな評価がもたらす要因や文化によって異なるニュアンスへの対応において、より厚い信頼を達成しきれていませんでした。
私たちはスペキュラティブ・デザイン(問題を提起するデザイン)により未来を見通す手法を用いてシナリオを作成し、Amazonのビジネス全体を見通して問題を捉え直しました。これにより、「コミュニティと幸せ」「ビジネストランスフォーメーション」「仕事と教育」そして「サステナビリティ」をテーマとした2030年の日本のビジョンを策定しました。
私たちのプロセスは、社会に影響を与えているトレンドを特定するために問題領域を調査し、オピニオンリーダーにインタビューを行うことで、STEEPデータベースを構築しました。次に、これらの情報をもとにワークショップを開催し、Amazonのためのさまざまなシナリオについてコンセプトを考え、さらに実現可能な戦略を創出すべくシナリオの見直しを行いました。
こうしたとりくみの成果として、社会に対して影響力を発揮し、サステナビリティを実践するための一連のイニシアティブを策定しました。Amazonが今後10年にわたって信頼と評価を高めていくことを可能にするための施策です。このイニシアティブにシフトすることで、既存のモデルの2倍のインパクトを実現し、サステナブルな成長と長期的な実行力を確実にし、Amazonというブランド、顧客、そして社会全体がポジティブで互恵的な成果を収めることができるようになると私たちは信じています。